ハルハ(読み)はるは(英語表記)Khalkha

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハルハ」の意味・わかりやすい解説

ハルハ
はるは / 喀爾喀
Khalkha

モンゴル部族名、また地名。清(しん)代にはおもに外モンゴル(モンゴル国のほぼ全域)をさした。ハルハとは、もとはモンゴリア東部に居住した部族の名称で、それは付近を流れるハルハ川に由来したものという。16世紀後半、オイラート部の勢力が外モンゴルから駆逐されると、ハルハ部の領域はその全体に広がった。ハルハは17世紀前半に勢力的に四分され、西にジャサクト・ハン部、アルタン・ハン国、東にトゥシェト・ハン部、チェチェン・ハン部があった。17世紀後半、ジャサクト・ハン部とトゥシェト・ハン部との間に紛争が起こると、その西にあったジュンガル王国ガルダン介入を招き、1691年ハルハはあげて清朝に帰属した。ガルダンを駆逐したのち、清朝はハルハをジャサクト・ハン部、トゥシェト・ハン部、チェチェン・ハン部の3部、55旗に編成したが、1725年トゥシェト・ハン部からサイン・ノヤン部を分離させ4部とした。その後、旗の数は増加し、乾隆(けんりゅう)年間(1736~95)に86旗となった。

[森川哲雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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