ベニバナボロギク(英語表記)Crassocephalum crepidioides S.Moore

改訂新版 世界大百科事典 「ベニバナボロギク」の意味・わかりやすい解説

ベニバナボロギク
Crassocephalum crepidioides S.Moore

アフリカ原産のキク科一年草。茎は直立し,上部でよく分枝し,1mくらいに達する。葉は倒卵状長楕円形で,柄があって互生する。葉身は頭大羽状中裂または歯牙縁で,両面に毛を散生し,薄い。花期は8~10月。花は枝の先に総状につき,下垂して咲く頭花である。頭花はすべて両性の筒状花よりなる。総苞は筒状で長さ1cm,基部に線形の多数の苞がある。総苞片は1列,花後反り返る。花冠は上部が朱色下部白色瘦果(そうか)は長さ2mmと小さいが,冠毛は長さ1cmを越え,白色で,多数あって目につく。1920年ころに東南アジアへ帰化し,日本へは50年ころに入り,急速に広がった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベニバナボロギク」の意味・わかりやすい解説

ベニバナボロギク
べにばなぼろぎく / 紅花襤褸菊
[学] Crassocephalum crepidioides (Benth.) S.Moore

キク科(APG分類:キク科)の一年草。茎は直立し、高さ1メートルに達する。葉は互生し、倒卵状長楕円(ちょうだえん)形、頭大羽状中裂または歯牙(しが)縁で、柄があって質は薄い。8~10月、枝先に総状花序をつくり、頭花を下向きに開く。総包は筒状で、総包片は1列。頭花は赤褐色の多数の管状花からなる。剛毛状の冠毛は多数あり、白色。アフリカ原産で、1920年代に東アジアに入り、日本へはおよそ20年後に渡来した。山地の伐採跡などに生え、若苗は食用とする。名の「ボロ」は冠毛を襤褸(ぼろ)に見立てたもの。

小山博滋 2022年4月19日]


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