ベラム(読み)べらむ(その他表記)vellum

翻訳|vellum

デジタル大辞泉 「ベラム」の意味・読み・例文・類語

ベラム(vellum)

子牛・子羊などの皮をなめして作った上質の皮紙。現在はおもに表紙材料として用いるが、古くは上等の写本用紙としても用いられた。

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精選版 日本国語大辞典 「ベラム」の意味・読み・例文・類語

ベラム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] vellum ) 子牛・子羊などの皮をなめして作った皮紙。古くは書写用に、今では装本用に使われる。

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図書館情報学用語辞典 第5版 「ベラム」の解説

ベラム

古代の書写材,製本材の一つである獣皮紙.特に子牛の皮から作られた良質のものを指すことが多い.製法は,生皮を石灰水でよくさらし,毛や汚れを取るためこすって薄くする.さらに表面チョークを塗り,軽石でなめらかに仕上げる.柔軟で耐久力に優れ,パピルスと違い両面書写が可能である.高価であったが,15世紀以降,活版印刷術普及に伴い,紙に取って代わられるまでの主要な書写材であった.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のベラムの言及

【装丁(装幀)】より

…パピルスはギリシア時代からヨーロッパへ入っていたが,高価であり,代用品として獣皮を薄くなめして書写材料とするようになっていった。早くから良質の紙を材料として用いることができた東洋と,主に羊皮紙やベラム(子牛の皮をなめしたもの)を書写材料とせざるをえなかった西洋とでは,書物造型の歴史も異なった経過をたどる。ヨーロッパ人による最初の紙づくりの成功は12世紀のことであり,書物の材料として一般化するには,なお数百年の歳月が必要であった。…

【羊皮紙】より

…成獣と幼獣皮では肌の粗密に差があり,幼獣の方が良品である。古くは子牛皮の高級品をベラムvellum,羊の胎児または出産直後の幼獣の皮を使った超高級品をウテリン・ベラムuterine vellumと呼んだ。現代でも薄手の高級品をベラムという。…

※「ベラム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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