ペンドリーノ(読み)ぺんどりーの(英語表記)Pendolino

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ペンドリーノ
ぺんどりーの
Pendolino

イタリアの振子電車。名称は、振子を意味するpendoloに由来する。強制振子により車体を曲線の内側に傾けて通過速度をあげることをねらいとし、最高時速は250キロメートル以上である。先頭車に設けたジャイロスコープと加速度センサーにより曲線に進入したことを検知して、各車両の車体と台車の間に取り付けた油圧シリンダーで車体を傾ける。パンタグラフは、台車の上の枠に載せられ、曲線上で車体を傾けたときに架線に追従するようにしている。なお、時速50キロメートル以下では強制振子機構の作用を停止している。
 第一世代のETR450が1988年にローマ―ミラノ間で運行を開始した。この区間のうち曲線半径の大きい高速新線上では、振子機能は作用していない。その後、ローマ―ベネチア間などに運行区間を広げている。駆動用電動機2台を床下に搭載して、推進軸で車軸を駆動している。最初のものは、直流電動機を使用したが、1995年の第二世代ETR460からは誘導電動機駆動となり、スイス乗り入れ用ETR470(交流15キロボルト16 2/3ヘルツ、直流3キロボルト)、イタリア国内の高速鉄道の交流25キロボルト電化採用に伴うETR480(交流25キロボルト50ヘルツ、直流3キロボルト)も開発され、さらに第三世代のETR600およびETR610が2006年に完成している。第三世代の車両では、車体傾斜機構はコンパクトな電動油圧式となり、台車内に収められている。
 この振子技術は、スイス、ドイツ、スペイン、ポルトガル、ノルウェーおよびフィンランド等に輸出され、在来線での速度向上に貢献している。ETR600から車体傾斜機構を省略したものが中国鉄道の高速化用にCRH5として採用されている。[佐藤芳彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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