架線(読み)カセン

デジタル大辞泉 「架線」の意味・読み・例文・類語

か‐せん【架線】

[名](スル)
送電線電話線などを架け渡すこと。また、その線。
電車電力を供給するため、軌道上方に架け渡される電線。がせん。
[類語](1架設高架/(2電線導線銅線回線配線高圧線コードケーブルエナメル線ニクロム線

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精選版 日本国語大辞典 「架線」の意味・読み・例文・類語

か‐せん【架線】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 電柱などに、送電用の電線や通信用の電話線をかけること。また、その線。〔音訓新聞字引(1876)〕
  3. 電気鉄道で、電気機関車や電車に電力を供給するための電線。鉄道関係者は「がせん」という。
    1. [初出の実例]「架線のスパークが軌道の石畳を浮き出した」(出典:青電車(1950)〈永井龍男〉C)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「架線」の意味・わかりやすい解説

架線
かせん

電気運転に必要な電力を供給するため、軌道上方に架設した電線類の総称架空電車線方式は架空複線式と架空単線式に大別される。架空複線式は、2条のトロリー線を軌道上方に架設して電気回路を構成する方式で、トロリーバスに採用されている。架空単線式は、軌道上方に架設したトロリー線と走行しているレールで電気回路を構成する方式で、JRではすべてこの架線方式を採用している。架空単線式には、トロリー線を軌道上方一定の高さに保持する方法により、直接吊架(ちょうか)方式、カテナリー吊架方式、剛体吊架方式などに分類できる。

 直接吊架方式は、支持物に直接トロリー線を支持するもので、トロリー線の高さを一様にすることが困難なため、構内などの中低速区間に採用されている。カテナリー吊架方式は、トロリー線を吊架線などに一定間隔で支持できるため、トロリー線をほぼ一様の高さに架設しうるので、高速運転に適している。剛体吊架方式は、き電線としての電気性能を有した導電形材(たとえばアルミT形材)にトロリー線を支持する方式で、トンネルなどの断面積を小さくする場合に有利であるが、集電装置による架線の押し上げ(ばね作用)がないため、高速になると、集電性能が悪くなる。この方式は、郊外架空単線式鉄道と相互乗り入れする都市地下鉄などに使用されている。

[藤原昭男]


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百科事典マイペディア 「架線」の意味・わかりやすい解説

架線【かせん】

架空電車線の略。トロリー線とも。軌道の上空に架設され電気車電流を供給する電線。パンタグラフがその下面を摺動して集電。ふつう1本の吊(ちょう)架線を介して軌道上の一定の高さに一定の張力で支持される。一般に硬銅線を用いる。
→関連項目トロリーバス

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世界大百科事典(旧版)内の架線の言及

【鉄道】より

…軌道(または軌条)や架線などの固定施設によって拘束され,決められた路線で運転される交通機関の総称。
【鉄道の経済的側面】
 19世紀は〈鉄道の時代〉といわれる。…

※「架線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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