日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ホール(Asaph Hall)
ほーる
Asaph Hall
(1829―1907)
アメリカの天文学者。惑星観測の第一人者。コネティカット州ゴーシェンの時計作りを父として生まれたが、13歳で死別。家計を支えるため16歳で大工見習いとなった。しかし修学の意志が強く、1854年ニューヨークのセントラル・カレッジに入学した。天文学を志し、まずハーバード大学の助手に採用され、熟練計算手として才能を認められた。1862年、ワシントンの海軍天文台に入って観測生活を開始し、1863年同天文台教授となり、1869年シベリアへ日食観測に赴き、1876年には土星の白斑(はくはん)を、1877年には火星のフォボスとデイモスの2衛星を発見、1884年には土星の衛星軌道の回転を発見した。1891年に退職、その後、ハーバード大学天文学教授を務めた。
[島村福太郎]
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