ポリビニルアセタール(読み)ぽりびにるあせたーる(その他表記)polyvinyl acetal

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポリビニルアセタール」の意味・わかりやすい解説

ポリビニルアセタール
ぽりびにるあせたーる
polyvinyl acetal

ポリビニルアルコールを酸の存在下、アルデヒドアセタール化した樹脂総称プラスチック合成繊維に用いられる。アルデヒドとしてホルマリンホルムアルデヒド37%水溶液)を用いてアセタール化したものをポリビニルホルマールpolyvinyl formalとよび、合成繊維のビニロンがそれであるが、プラスチックとしては、電線の絶縁エナメルや発泡体として化粧用パフ、浴用スポンジロールなどに用いられている。アルデヒドとしてブタノールブチルアルコール)でアセタール化したものはポリビニルブチラールブチラール樹脂)である。

垣内 弘]

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改訂新版 世界大百科事典 「ポリビニルアセタール」の意味・わかりやすい解説

ポリビニルアセタール
polyvinyl acetal

ポリビニルアルコールにアルデヒドを反応させてアセタール化した樹脂。実用化されているのはポリビニルホルマールpolyvinyl formalとポリビニルブチラールpolyvinyl butyralである。

ポリビニルアルコールを紡糸し,酸の存在下でホルムアルデヒドでアセタール化したものが合成繊維のビニロンであるが,ポリビニルホルマールは合成繊維以外にもスポンジ,塗料,電線用ワニスとして用いられている。ポリビニルアルコールをブチルアルデヒドでアセタール化するとポリビニルブチラール(ブチラール樹脂)が得られる。ブチラール樹脂は柔軟,接着性にすぐれ,透明であるので,安全ガラスや防弾ガラスの中間膜として用いられ,また接着剤として使用されることもある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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