翻訳|sponge
もともと,海中動物であるカイメンを意味する言葉である。カイメンの多孔質の骨格は保水性があり,柔軟性,弾性に富むので,家庭用品として,食器,家具,車の洗浄用ブラシなどに用いられてきた。しかし,高分子工業の発達とともに,カイメンと同様な連続気泡を有し,柔軟性,弾性に富む合成発泡体が低コストで任意の大きさに均一に製造されるようになったため,現在ではほとんど合成品に置き換えられた。
代表的な高分子はポリウレタンであり,軟質ウレタンフォーム(軟質発泡ポリウレタン)として製造,使用される。発泡はポリウレタンの製造時に発生する炭酸ガスを利用して行うことが多いが,フロンガスなどの発泡剤を併用することもある。ほかにビスコースレーヨンからつくるビスコーススポンジ,ゴムを発泡剤で発泡させてつくるスポンジゴムなどもある。
→カイメン →ポリウレタン
執筆者:森川 正信
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…植物界では硬タンパク質の代りにセルロース類が同じ役割をしているものと考えられている。 例としては骨,皮,腱などに含まれているコラーゲン,靱帯や動脈などの成分であるエラスチン,毛髪,羽毛などのケラチン,絹のフィブロイン,カイメンのスポンジ(海綿質)などが知られている。不溶性の原因はコラーゲンの場合には年齢とともに生ずる分子間の橋かけ結合であり,エラスチンの場合には分子内の橋かけ結合によるものと考えられている。…
※「スポンジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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