ポリミキシン(英語表記)polymyxin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポリミキシン」の意味・わかりやすい解説

ポリミキシン
polymyxin

土壌菌 Bacillus polymyxaの生産する抗生物質一群。普通塩酸塩とする。水によく溶け,有機溶剤に難溶。B,D,Eの3群が知られており,B群には B1 と B2 があり,B-硫酸塩をエロスポリンという。 B1 と B2 の違いは分子内の原子団のうち,B1 には (+) 6-メチルオクタノイルがあり,B2 には6-メチルペンタノイルがある点である。D,E群も分子内の一部の原子団の種類が違う。グラム陰性菌に特に有効。副作用腎臓を害する。

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世界大百科事典(旧版)内のポリミキシンの言及

【化学療法】より

…そうした努力のなかで多くの薬剤が発見され,合成されてきたが,これらは大別すると抗生物質,その半合成誘導体,化学的合成品となる(表,表(つづき))。細菌に対する薬剤にしても,その作用域はテトラサイクリンのようにきわめて広いものや,ポリミキシンのように狭いものもあり,また広くても特定の感染症にのみ使用するリファンピシン(結核)やスペクチノマイシン(淋病)のような薬剤もある。結核菌や真菌(カビ)に対する化学療法剤は一般にこれらに特異的に働くものが多く,原虫・寄生虫に対する化学療法剤はほとんど他とは共通性のない合成品である。…

※「ポリミキシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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