改訂新版 世界大百科事典 「マイケル付加」の意味・わかりやすい解説
マイケル付加 (マイケルふか)
Michael addition
1887年ドイツの化学者マイケルA.Michaelは,ケイ皮酸エチルとマロン酸ジエチルをナトリウムエトキシドNaOC2H5の存在下で反応させ,式に示すような付加物を得た。
このように,活性メチレン化合物が塩基触媒の存在下で求電子性オレフィンに共役付加する反応をマイケル反応と呼ぶ。合成的には,C-C結合形成反応としてきわめて重要であり,この種の反応は非常に多い。現在では活性メチレン化合物に限らず,アニオノイド試薬(グリニャール試薬,シアン化物イオンなど)がα,β-不飽和エステル,共役ニトロオレフィン,α,β-不飽和ニトリルなどに共役付加する反応を総称してマイケル付加反応と呼ぶことが多い。
執筆者:友田 修司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報