マサガン〈アル-ジャジーダ〉のポルトガル都市(読み)マサガン〈アルジャジーダ〉のポルトガルとし

世界遺産詳解 の解説

マサガン〈アルジャジーダ〉のポルトガルとし【マサガン〈アル-ジャジーダ〉のポルトガル都市】

2004年に登録されたモロッコの世界遺産(文化遺産)で、同国中西部、カサブランカ南西の大西洋に面した港湾都市。1502年にポルトガル人が建設を始めた町で、1514年には巨大な城塞の建設が開始された。この時から、ポルトガル人によってマサガンと呼ばれるようになった。マサガンは、インド貿易の重要な中継地として、200年以上にわたってポルトガル人によって支配された。1769年にモロッコのスルタンが蜂起し、町を占領するとポルトガル人は撤退した。1832年、スルタンは破壊された町の再建を決めるとともに、町の名前をアル・ジャジーダと改称した。フランスの支配下にあった20世紀前半に、町は再びマサガンに改称されたが、モロッコが独立した1956年以降は、アル・ジャジーダと呼ばれている。ポルトガル人によって築かれた城砦に囲まれた旧市街(メディナ)の雰囲気は、ヨーロッパとモロッコの文化が溶け合い、それが建物や町並みにも表れている。このような歴史的景観が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はPortuguese City of Mazagan(El Jadida)

出典 講談社世界遺産詳解について 情報