マサチューセッツ湾植民地(読み)マサチューセッツわんしょくみんち(その他表記)Massachusetts Bay Colony

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

マサチューセッツ湾植民地
マサチューセッツわんしょくみんち
Massachusetts Bay Colony

1629年イングランド国王チャールズ1世から与えられた特許状に基づき,30年に建設されたアメリカのニューイングランドの植民地。指導者は J.ウィンスロップセーレムチャールズタウンボストンなどを中心に会衆派教会による清教徒神政政治が行われた。タウン共同体を基本的な社会単位とする独特の自治社会を築き,イギリス本国からの干渉に反抗的となったので,84年特許状は撤回されて「ドミニオン・オブ・ニューイングランド」に統合された。本国における名誉革命勃発に呼応して反乱が起ったが結局,91年王領植民地となった。「セーレムの魔女裁判」以降宗教的色彩は薄れ,貿易の中心地として海運造船業漁業が発展し繁栄した。 1760年代に入ると反イギリス運動の中心地となり,バージニア植民地とともにアメリカ独立革命 (→アメリカ独立戦争 ) に指導的役割を果した。

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世界大百科事典(旧版)内のマサチューセッツ湾植民地の言及

【アメリカ合衆国】より

…ニューイングランドは歴史的・地理的に一体性の強い地方で,1614年この地方を探検したジョン・スミスによりニューイングランドと名づけられた。20年プリマスに渡来したピルグリム・ファーザーズが初めて入植に成功,30年にはジョン・ウィンスロップを総督とするピューリタンの一団が,ボストンを中心にマサチューセッツ湾植民地を建設した。これに次ぐ10年間に聖職者を含むピューリタンが多数渡来,発展の基礎をつくった。…

【ウィンスロップ】より

…アメリカ,イギリス領マサチューセッツ湾植民地初代総督。サフォーク州の富裕な地主の子に生まれ,所領を継ぐ。…

※「マサチューセッツ湾植民地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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