ウィンスロップ(読み)うぃんすろっぷ(英語表記)John Winthrop

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィンスロップ」の意味・わかりやすい解説

ウィンスロップ
Winthrop, John

[生]1588.1.12. サフォーク
[没]1649.3.26. ボストン
アメリカ植民地時代初期のイギリス人植民者。ケンブリッジ大学卒業。ピューリタニズムを生活信条とし,1629年チャールズ1世の特許状により設立されたマサチューセッツ湾会社に興味をもち,初代総督に任命され,30年アメリカに移住マサチューセッツ湾植民地創設。ボストンを本拠とし,その周辺に会衆派教会を中心とするタウン共同体を建設。タウンの自治原則として自由民全部の出席するタウン・ミーティングにおける投票により決定され,多数決による決定事項には住民全部が拘束される形態をとった。一度選ばれたら個人の最上の判断のもとに治めるという信念に基づき,自己の信仰の自由を守るため,きびしい神政政治を樹立した。彼の日記"A Journal of the Transactions and Occurrences in the Settlement of Massachusetts"は 1790年に刊行され,重要な史料である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィンスロップ」の意味・わかりやすい解説

ウィンスロップ
うぃんすろっぷ
John Winthrop
(1588―1649)

アメリカのマサチューセッツ湾植民地の総督。イギリスのサフォークに生まれる。トリニティ・カレッジに学び法律家となったが、その間ピューリタンとなる。1630年アーベラ号にて新大陸に到着し、植民地に神政政治を確立することに貢献。ピューリタンによる統一国家を目ざし、アン・ハッチンソンを追放したことは有名である。その著書『1630年から1649年に至るニューイングランド史』The History of New England from 1630 to 1649は植民地時代の研究に有効な資料である。

[野村文子]

『アリステア・クック著、鈴木健次・桜田元雄訳『アメリカ 上』(1978・日本放送出版協会)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android