日本大百科全書(ニッポニカ) 「マムーリアン」の意味・わかりやすい解説
マムーリアン
まむーりあん
Rouben Mamoulian
(1898―1987)
アメリカの映画監督、演出家。ロシアのチフリス(現トビリシ)に生まれる。1918年に舞台監督となり、1920年に渡英。さらに1923年に渡米し、シアター・ギルドなどの演出家として活躍した。トーキー時代の到来とともにハリウッドに招かれ、『喝采(かっさい)』(1929)で音と台詞(せりふ)を巧みに総合してトーキー・ドラマの向かうべき方向を示した。続いて『市街』(1931)でギャング映画、『今晩は愛して頂戴(ちょうだい)ナ』(1932)でオペレッタ映画にそれぞれ一石を投じ、とりわけ『虚栄の市』(1935)で生まれたばかりの色彩映画に独自の表現を切り開くなど、緻密(ちみつ)な作風で先駆的仕事を重ねた。のちふたたび舞台に活動の中心を移し、ブロードウェーのミュージカル『ポーギーとベス』(1935)、『オクラホマ!』(1943)、『回転木馬』(1945)を演出するなどの活躍を続けた。
[出口丈人]
資料 監督作品一覧
喝采 Applause(1929)
市街 City Streets(1931)
ジキル博士とハイド氏 Dr. Jekyll and Mr. Hyde(1931)
今晩は愛して頂戴ナ Love Me Tonight(1932)
クリスチナ女王 Queen Christina(1933)
恋の凱歌 The Song of Songs(1933)
復活 We Live Again(1934)
虚栄の市 Becky Sharp(1935)
歌へ陽気に The Gay Desperado(1936)
たくましき男 High, Wide, and Handsome(1937)
ゴールデン・ボーイ Golden Boy(1939)
快傑ゾロ The Mark of Zorro(1940)
血と砂 Blood and Sand(1941)
サンマー・ホリデイ Summer Holiday(1948)
絹の靴下 Silk Stockings(1957)