家庭医学館
「マンソン孤虫症」の解説
まんそんこちゅうしょう【マンソン孤虫症】
マンソン裂頭条虫(れっとうじょうちゅう)の幼虫が寄生しているヘビ、カエル、ニワトリの肉を生(なま)や加熱不十分な状態で食べて感染します。
●症状
幼虫のいる部分に腫瘤(しゅりゅう)(こぶ)ができ、移動します。腫瘤は腹部に多くでき、胸部、鼠径部(そけいぶ)、目、手足、乳房に発生することもあります。
心臓や脳に寄生し、重症になることもあります。
●治療
成虫寄生の場合は、プラジカンテルを1、2回内服します。孤虫(こちゅう)寄生の場合は、手術をして虫体を摘出(てきしゅつ)します。効果が確実とはいえませんが、プラジカンテルやメベンダゾールの内服が3~5日行なわれることもあります。
●予防
ニワトリのささ身、食用カエル、ヘビ肉の生食や生血の飲用のような「ゲテモノ食い」などはやめましょう。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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マンソン孤虫症(条虫症)
(3)マンソン孤虫症(sparganosis mansoni)
概念
イヌ,ネコ,キツネなどを終宿主とするマンソン裂頭条虫(Diphyllobothrium mansoni)の幼虫感染症であり,ヒトの体内では成虫になれず,幼虫のまま体内を移行する.
病因・感染経路
プロセルコイドを含むケンミジンコの経口摂取,プレロセルコイドを含むカエル,ヘビなどの生食,イノシシ,シカ,ニワトリなどの生食により感染する.
臨床症状
多くは皮膚寄生して移動性の腫瘤を形成するが,まれに脳や眼部に寄生して痙攣や視力障害などをきたすこともある.間欠的な発熱を伴うこともある.
診断・治療
血清学的診断が可能であるが,摘出標本による病理学的診断が確実である.IgEの上昇や好酸球増加を伴い,診断の参考となる.治療は外科的摘出による.[前田卓哉]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
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