マンソン孤虫症
マンソンこちゅうしょう
Sparganosis mansoni
(感染症)
条虫の一種、マンソン裂頭条虫の幼虫が寄生して起こる病気です。カエル、ヘビ、トリなどに寄生し、これらを食べると感染します。ヒトに感染した場合には成虫にならずに、幼虫のままでいることがほとんどです。
幼虫の大きさは、数㎝~数十㎝です。当初は成虫がわからなかったために「孤虫」と呼ばれていましたが、のちにネコやイヌの腸に寄生するマンソン裂頭条虫の幼虫であることがわかりました。
マンソン孤虫は全身のあらゆる場所に寄生しますが、最も多いのが皮下、とくに脂肪の多い場所です。皮下に寄生した場合は、しこりやこぶが感じられますが、急になくなったり、別の場所に現れたりします。これは、マンソン孤虫が体のなかで移動するためです。
寄生する場所によって自覚症状がないことがありますが、脳に寄生した場合には、前述した嚢虫症と同じような症状が起こり、命に関わることがあります。
診断は一般的に困難ですが、皮下にこぶが急にできたり、それがなくなったりしたら、この病気を疑います。皮下にできたこぶを手術で切開、または摘出した際に、10~20㎝の長さのマンソン孤虫が見つかるのが普通です。
脳や内臓に寄生している場合、画像検査と併せて血清検査でマンソン孤虫に対する抗体を検出します。
手術でマンソン孤虫を取り除くのが、最もよい方法です。
脳や内臓に寄生している場合は、抗寄生虫薬のプラジカンテル(ビルトリシド)を使用します。
皮下に急にこぶができた場合は、皮膚科で診察を受けましょう。最も大切なのは、マンソン裂頭条虫の幼虫が寄生する生き物を、生のまま食べないことです。とくにヘビには多数の幼虫が感染しているので気をつけましょう。
奈良 武司
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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家庭医学館
「マンソン孤虫症」の解説
まんそんこちゅうしょう【マンソン孤虫症】
マンソン裂頭条虫(れっとうじょうちゅう)の幼虫が寄生しているヘビ、カエル、ニワトリの肉を生(なま)や加熱不十分な状態で食べて感染します。
●症状
幼虫のいる部分に腫瘤(しゅりゅう)(こぶ)ができ、移動します。腫瘤は腹部に多くでき、胸部、鼠径部(そけいぶ)、目、手足、乳房に発生することもあります。
心臓や脳に寄生し、重症になることもあります。
●治療
成虫寄生の場合は、プラジカンテルを1、2回内服します。孤虫(こちゅう)寄生の場合は、手術をして虫体を摘出(てきしゅつ)します。効果が確実とはいえませんが、プラジカンテルやメベンダゾールの内服が3~5日行なわれることもあります。
●予防
ニワトリのささ身、食用カエル、ヘビ肉の生食や生血の飲用のような「ゲテモノ食い」などはやめましょう。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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マンソン孤虫症(条虫症)
(3)マンソン孤虫症(sparganosis mansoni)
概念
イヌ,ネコ,キツネなどを終宿主とするマンソン裂頭条虫(Diphyllobothrium mansoni)の幼虫感染症であり,ヒトの体内では成虫になれず,幼虫のまま体内を移行する.
病因・感染経路
プロセルコイドを含むケンミジンコの経口摂取,プレロセルコイドを含むカエル,ヘビなどの生食,イノシシ,シカ,ニワトリなどの生食により感染する.
臨床症状
多くは皮膚寄生して移動性の腫瘤を形成するが,まれに脳や眼部に寄生して痙攣や視力障害などをきたすこともある.間欠的な発熱を伴うこともある.
診断・治療
血清学的診断が可能であるが,摘出標本による病理学的診断が確実である.IgEの上昇や好酸球増加を伴い,診断の参考となる.治療は外科的摘出による.[前田卓哉]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
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