ムーア(George Augustus Moore)(読み)むーあ(英語表記)George Augustus Moore

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ムーア(George Augustus Moore)
むーあ
George Augustus Moore
(1852―1933)

イギリスの小説家。アイルランド生まれ。青年時代パリに渡り、ゾラなどの文学者、モネなどの画家と親しく交わり、新しい大陸の芸術を肌で体験して帰国、フランス風の自然主義小説を根づかせようと努力した。その後にイェーツらとともにアイルランド文芸復興運動に参加したりしたが、晩年にはカトリックへの関心が強まり、宗教的な色合いの濃い小説を書いている。『役者の妻』(1885)、『エスター・ウォーターズ』(1894)のほか、自叙伝『ある若者告白』(1888)などが代表作である。

小池 滋]

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