ラムベオサウルス(読み)らむべおさうるす(英語表記)lambeosaur

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ラムベオサウルス
らむべおさうるす
lambeosaur
[学]Lambeosaurus lambei

鳥盤目鳥脚(ちょうきゃく)類(亜目)エウオルニソポッド類(真鳥脚類)イグアノドン類Iguanodontiaイグアノドン上科Iguanodontoideaハドロサウルス科Hadrosauridaeラムベオサウルス亜科Lambeosaurinaeに属する恐竜。北アメリカの白亜紀後期、約7705万年~7060万年前の地層から産出した草食恐竜で、全長約9メートル。カモノハシ竜の仲間。この恐竜のもっとも著しい特徴は頭骨にある。くちばしの先端はやや幅が広く、鼻腔(びくう)は拡張していない。頭の上にはよく発達したとさかがあり、目の上で前方に伸びるとさかは丈が高くほぼ四角形で斧(おの)のような形をしていて、後ろ上方にも棘(とげ)状に伸びる細長い突起がある。ラムベオサウルス亜科では、とさかは中空の骨からなり、外鼻孔に始まった1対の管が続いている。とさかの骨は大部分が前上顎骨(じょうがくこつ)で、一部が鼻骨でできている。後部の棘は頸(くび)から背にかけての皮膜を支えていたという説がある。幼時の頭骨にはとさかは発達していない。かつてはとさかの形や大きさで数種に区別されていたが、1970年代なかば以降、これは種による差ではなく年齢や雌雄による変異と考えられるようになり整理されている。たとえば模式種の雌では斧形のとさかが短く、後方の突起はみられない。とさかは声の共鳴器官として役だっただけでなく、仲間うちの種や雌雄の判別、同種間の地位の確認のため使われたであろうと考えられている。ラムベオサウルス属には非常に大きなとさかをもつ種類が知られており、その高さは頭部の2倍にも達する。また椎骨(ついこつ)の突起が40~50センチメートルにもなる種類があって、これは全長が14~16メートルにも達する。前肢はかなり長く、機能指は4本で第1指は退化している。後肢は長いが柱状にはなっておらず、機能指は3本ある。尾はやや長い。歯の積み重なりが3段以上もあり、それが石垣のように前後に並んだ構造をもつハドロサウルス科のなかでも、とさかをもたないか、もっていても骨が中空でないハドロサウルス亜科は白亜紀末まで存続したにもかかわらず、ラムベオサウルス亜科はそれより1000万年ほど前に絶滅してしまった。[小畠郁生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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