ランダウ反磁性(読み)ランダウはんじせい(英語表記)Landau diamagnetism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランダウ反磁性」の意味・わかりやすい解説

ランダウ反磁性
ランダウはんじせい
Landau diamagnetism

自由電子または金属内の伝導電子の示す反磁性。一様な磁場中の自由電子は円運動を行うが,この円運動による磁気モーメントは外からの磁場と逆方向になる。これは古典的な電磁誘導におけるレンツの法則の現れであるが,閉じた空間での多数の電子による磁気モーメントの和は,古典力学では互いに打消し合ってゼロになってしまう。量子力学では電子の軌道量子化されているため,小さな反磁性の磁気モーメントが残ることが L. D.ランダウによって示された。このときの自由電子の反磁性帯磁率スピンによる帯磁率の3分の1に等しい。金属内の伝導電子の反磁性はフェルミ面の形によって異なる値をもち,必ずしも単純でない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android