電磁誘導(コイルを貫く磁束が変化すると、コイルに起電力が発生する現象)によって生じた誘導電流の向きを表す法則。1834年にロシアの物理学者のレンツによって発見された。回路と電磁場の相対運動(たとえば、コイルと磁石において磁石を動かす、すなわち相対的位置関係の変化)によって生じた誘導電流は、初めの運動を妨げる向きに流れるという法則である。運動のかわりに、電流または磁極の大きさが変化する場合にもレンツの法則が適用できる。大きさが増大する(または減少する)ことは、距離が近づく(または遠のく)こと、すなわち運動に置き換えることができるからである。
[山口重雄]
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…またその方向は誘導電流の作る磁場によって磁束の変化が打ち消される方向であり,これは自然が示す一つの慣性と見ることができる。なお,この誘導起電力の生ずる方向を与える法則は1834年にH.レンツが明らかにしたもので,レンツの法則と呼ばれている。 後にマクスウェルは,場の量である電場Eと磁束密度Bを使って,この関係式を, rotE=-∂B/∂t ……(1)とかき直した。…
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