出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ライプニッツは,あらためてそうした力を〈活力vis viva〉と呼んで,質量と速さの2乗との積で定義し,デカルトを批判した(ウィス・ウィウァ論争)。現在の古典力学では,物体に外から与えられ,運動の変化(加速度)を生じさせる原因を力として定義するため,ある意味ではデカルトの態度,つまり,物質およびその運動状態から力を構成しようとする発想が最も徹底されている,と考えることができる。ちなみに,古典力学はニュートンの運動法則から成るが,既述のようにニュートンはむしろ力を物質に内在するものと考えるという点で,古典力学的ではないといえよう。…
… その後,18世紀末から19世紀にかけて熱現象,電磁現象など,単なる力と運動の関係の外にあるような新しい分野への関心が登場したが,結局それらも,力学的モデルである統計力学や,電磁力学によって置き換えられることになり,力学の基本構造は変わらなかったといえるだろう。20世紀に入って,相対性理論と量子力学が誕生し,ニュートン力学は修整が加えられることになり,この二つの理論体系との対比を明解にするために,ニュートンの力学は〈古典力学〉と呼ばれるようになった。古典力学は,ある条件下にのみ自然現象に妥当するものとされるに至ったわけだが,しかし相対性理論も量子力学も,物体の運動と力の問題を軸として自然現象を解析するという点では,依然として力学そのものであり,今日の自然科学の根幹に力学がすわっている事情は変わっていない。…
※「古典力学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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