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ルター主義 ルターしゅぎLuthertum; Lutheranism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ルター主義
ルターしゅぎ
Luthertum; Lutheranism

M.ルターが福音の真理を見出した「神の義はその福音のなかに啓示され,信仰に始り信仰にいたらせる」 (ローマ書1・17) というパウロの言葉に基づく福音主義。のちに「信仰によってのみ義とされる」という信仰義認論として定式化された。すなわち神の言葉 (福音) を通じての信仰者と神との内面的交わりを確信するものであり,教会への世俗的寄与に対して聖職者を仲介として与えられる恩恵,贖宥などを否定した。ルターはこのような福音主義の立場から教会による贖宥状 (→免罪符 ) 発行を非難 (『贖宥の効力に関する九十五ヵ条の提題』〈1517〉) した。 1520年破門されたが,いわゆる三大改革論文を公表し,教皇の世俗支配の放棄,ドイツ教会の独立などの改善策を説いた。ルター主義は単に宗教改革運動にとどまらず,ドイツをローマの支配,搾取から解放し近代的国民国家に形成しようとする国民的運動と結びついた。ルターの協力者であった A.カルルシュタット,P.メランヒトンはルター主義の諸原則を急進的に実行しようと聖職者独身制の廃止,修道院の解放,ミサの全面的改変を主張した。この動きは T.ミュンツァーらの急進的アナバプテストを迎えて,一種のキリスト教社会主義へと転換していったが,ルター自身はこれに対して判然と反対を示した。以後ルター主義は農民や下層階級と決別し,領邦権力,中産階級の庇護下でスコラ化していった。

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