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免罪符 めんざいふ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

免罪符
めんざいふ

贖宥状 Ablassbrief,Beichtbriefの日本における通俗的な訳。正しくは罰を免じたのであって,罪を免じたのではない。カトリック神学では,罪とその結果である罰とが区別され,前者は改悛によってゆるされるが,後者は罪がゆるされたのちも,罪のゆるしを前提になんらかの善業によってしか相殺されない。

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デジタル大辞泉の解説

めんざい‐ふ【免罪符】

カトリック教会が善行(献金など)を代償として信徒に与えた一時的罪に対する罰の免除証書。中世末期、教会の財源増収のため乱発された。1517年、聖ピエトロ大聖堂建築のための贖宥(しょくゆう)に対しルターがこれを批判、宗教改革の発端となった。贖宥状。
罪や責めをまぬがれるためのもの。

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百科事典マイペディアの解説

免罪符【めんざいふ】

ドイツ語Ablassbriefの訳で,〈贖宥状〉〈贖宥符〉とも。罪の償いを免じられるとされた証書で,ローマ教皇が発行権をもち,教会への寄進と交換で下付された。中世教会の有力な財源であったが,その乱用によって多くの弊害をもたらし,ルターの〈九十五ヵ条提題〉における攻撃が宗教改革の口火となった。
→関連項目聖職売買レオ[10世]

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世界大百科事典 第2版の解説

めんざいふ【免罪符 Ablassbrief[ドイツ]】

中世末から近世初期のローマカトリック教会で,信徒がこれを購入することによって,自己の犯した罪の償いを免除されると信じられた,教皇が発行する証書。贖宥(しよくゆう)状,贖宥符とも訳される。これがもたらす信仰上の弊害をルターが〈九十五ヵ条提題〉で攻撃したことが,宗教改革の口火となった。中世カトリック教会では,教皇は使徒ペテロの後継者,地上におけるキリストの代理者と考えられ,そこから,キリストの贖罪の業(わざ)は,人々の救霊をもたらす偉大な〈功績〉として,あり余るほどの〈財宝〉をローマ教会にゆだねたという信仰が生まれた。

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大辞林 第三版の解説

めんざいふ【免罪符】

ローマ-カトリック教会が、罪の償いが免除されるとして発行した証書。一五世紀末には教会の財政をまかなうため大量に発行され、ルターの批判を呼び宗教改革のきっかけとなった。贖宥しよくゆう状。
転じて、責任・非難などをまぬがれるための行為や事柄。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

免罪符
めんざいふ

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世界大百科事典内の免罪符の言及

【キリスト教】より

…兄弟団は各地にひろまり,少年期のルターを育てたのはマクデブルクの兄弟団であった。他方,15世紀後半の〈ルネサンス教皇〉らは免罪符(贖宥状)を濫発したが,そのあくなき財政政策は地方教会を基盤とする諸侯領主との間の対立を深くしていた。享楽好きで知られる教皇レオ10世を生んだフィレンツェのメディチ家と真っ向から衝突したのはサボナローラであったが,彼によってもなお教皇庁の改革ははたしえないでいた。…

【宗教改革】より

…そのさい,ルターの個人的宗教体験に客観的な裏づけを与えたものは,とりわけ旧約聖書の《詩篇》と新約聖書のパウロ書簡(《ローマ人への手紙》《ガラテヤ人への手紙》)であった。〈九十五ヵ条〉で表明された彼の疑念と批判は,教皇が,贖宥状(免罪符)の購入のごとき外的な〈行い〉(功績)に免じて,信徒の罪そのものを赦す特別の力をそなえていると思うのは誤りであり,真の内的な悔い改めと,唯一の救い主キリストの御業(みわざ)に示される神の恩寵への,全面的な信仰によってしか魂は救われない,という根本的確信の帰結にほかならなかった。 〈九十五ヵ条〉は,このように教皇庁財政の手段と化していた贖宥状販売への批判にとどまるものではなく,教皇権の本質とキリスト信仰の中核にかかわる重大な論点を含んでいたため,ルター自身の予想をはるかに超える広い反響を呼び起こした。…

【フッガー家】より

…93年国際市場アントワープに支店を開き,98年ベネチアの銅市場で同業者と販売カルテルを結び,1505‐06年リスボンに進出,4000ドゥカーテンを出資して東インド貿易に参加した。フォン・メッカウなど有力者との結びつきを利用して教皇庁の銀行家となり,各地の司教からローマへの献納金や免罪符売上代金の送金を引き受けた。宗教改革の原因になったマインツ大司教の免罪符販売は,フッガーへの返済のために行われたのである。…

【ルター】より

…これら初期の聖書講義の中で,ルターは,人間の救いが,イエス・キリストに示される神の恵みによるという宗教改革的認識に到達し,それを深めた。 そのころザクセン選帝侯領境まで来て頒布されていたテッツェルによる贖宥状(免罪符)頒布に上述の認識と信仰によって反対する〈九十五ヵ条提題〉を――一説にはウィッテンベルク城教会の扉に掲示して――17年10月末公にしたことが,歴史上の事件としての宗教改革の具体的なきっかけとなり,多くの賛同とローマ・カトリック教会の反対とを招くことになった。18年にはアウクスブルクで枢機卿カエタヌスによる教会審問を受け,自説の取消しを拒否,19年にはエックとライプチヒで討論(ライプチヒ討論)して,教皇も公会議も無謬ではありえないと主張した。…

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