ルネサンス建築(読み)ルネサンスけんちく(その他表記)Renaissance architecture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルネサンス建築」の意味・わかりやすい解説

ルネサンス建築
ルネサンスけんちく
Renaissance architecture

15~16世紀中頃,ヨーロッパ全域に開花した革新的建築様式中世のゴシック建築は抽象的な神の尺度を求めたが,ルネサンス建築では人間の尺度を基準とすることが求められ,ギリシア,ローマの建築を範とする構成的な形態美が追及された。この発端はイタリアのフィレンツェであり,F.ブルネレスキによるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のドームがその嚆矢とされる。その後,L.アルベルティミケロッツォ・ディ・バルトロメオらが活躍したが,15世紀の末から 16世紀初めにかけて D.ブラマンテがローマで活躍し,様式,構成内容において熟成の頂点に達した。一般に彼やラファエロが活躍した時代を盛期ルネサンスと呼ぶ。これはたちまちアルプス以北の諸国のならうところとなり,進んで導入につとめたが,その展開や表現は地域によってかなり異なる。フランスではブロア城シャンボール城など,ドイツではハイデルベルク城,アウクスブルク市議事堂などが代表的作品としてあげられる。

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世界大百科事典(旧版)内のルネサンス建築の言及

【ネオ・ルネサンス様式】より

…19世紀前期のヨーロッパで起こったルネサンス建築様式の復興をいう。ドイツのゲルトナーFriedrich von Gärtner(1792‐1847)はミュンヘンに建てたルートウィヒ教会(1829‐40)および国立図書館(1831‐40)で,イタリアのロマネスク様式やルネサンス様式に近い単純な煉瓦造りの半円アーチ様式を採用したが,これが石材に乏しいドイツの状況によく適合して流行し,やがてゼンパーによるドレスデンの宮廷歌劇場(1838‐41)のような優雅なルネサンス様式の採用に変化した。…

【ルネサンス美術】より

…しかし,これらの後進地域も,16世紀初めまでには,より本格的なフィレンツェの様式を受け入れるようになる。
[理想都市]
 ルネサンス第一の古典学者アルベルティは,ブルネレスキから強い刺激を受け,ウィトルウィウスなどの古代文献研究を通じ,建築の比例理論を〈オーダー〉の体系にまとめ上げ,また透視図法の数学的裏づけを試みるなど,ルネサンス建築理論の基礎を築き上げた。その一方で,みずからも建築の設計を試み,フィレンツェ,リミニ,マントバなどに重要な作品を残している。…

※「ルネサンス建築」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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