ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルベルティ」の意味・わかりやすい解説
アルベルティ
Alberti, Leon Battista
[没]1472.4.25. ローマ
イタリアの建築家,人文学者。芸術全般に通じ「万能の人」と形容された。追放中の裕福なフィレンツェ商人の庶子として出生。パドバとボローニャで法律,古典を学び,1428年頃フィレンツェに戻り,ルネサンス芸術運動の渦中に身を投じる。教皇庁の書記を務める間に『絵画論』Della pittura(1436)を著し,1440年代からマルクス・ウィトルウィウスの『建築十書』にならった『建築論』De re aedificatoriaの著述を始める。同書は都市計画を含む市民活動としての建築術,古典的オーダーの活用など後世に広い影響を与えた。建築ではフィレンツェのパラッツォ・ルチェライ(1445~70頃),サンタ・マリア・ノベラ聖堂のファサード(1456~70),リミニのテンピオ・マラテスティアーノ(1446~50頃),マントバのサン・セバスティアノ聖堂(1460~70),サンタンドレア聖堂(1470頃)などがある。
アルベルティ
Alberti, Domenico
[没]1740. ローマ
イタリアの作曲家。歌手およびチェンバロ奏者としても活躍。「アルベルティ・バス」として知られる分散和音による伴奏音型を多用したことで有名。この伴奏音型はゆるやかに推移する和声の上に旋律を浮べるのに適しているため,ハイドン,モーツァルト,ベートーベンらも用いた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報