レプティス-マグナの古代遺跡(読み)レプティスマグナのこだいいせき

世界遺産詳解 の解説

レプティスマグナのこだいいせき【レプティス-マグナの古代遺跡】

1982年に登録されたリビアの世界遺産(文化遺産)で、同国北西部、首都トリポリの東約100kmの地にある古代ローマ都市の遺跡。レプティス・マグナは、紀元前9世紀頃にフェニキア人が地中海沿岸に建設した港町で、ローマ帝国の支配下に入ってから発展し、歴代皇帝によって小神殿や闘技場、浴場など数多くの建造物が建てられた。この地出身のセプティミウス・セウェルス帝の治世下、2世紀末から3世紀初めにかけて、凱旋門、大会堂、列柱回廊などが整備され、町は黄金期を迎えた。その後7世紀に、アラブイスラム軍によって町は破壊され、砂に埋もれた。20世紀になって発掘が進められ、公共広場や凱旋門など、当時の繁栄ぶりをうかがわせる建造物が、比較的良好な状態で出現した。北アフリカ屈指のローマ都市遺跡としての文化的価値が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はArchaeological Site of Leptis Magna

出典 講談社世界遺産詳解について 情報