ロシュフォール(Marquis de Rochefort-Luçay, Victor Henri)(読み)ろしゅふぉーる(英語表記)Marquis de Rochefort-Luçay, Victor Henri

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ロシュフォール(Marquis de Rochefort-Luçay, Victor Henri)
ろしゅふぉーる
Marquis de Rochefort-Luçay, Victor Henri
(1831―1913)

フランスの社会主義者、ジャーナリスト。没落した名門貴族の出身で、パリ市役所に勤務するかたわら文筆活動を行った。『シャリバリ紙上ドーミエの漫画に付した戯文、軽演劇の台本で当りをとった。1868年、政治風刺誌『ランテルヌ』を発刊、ナポレオン3世に対する辛辣(しんらつ)な攻撃によって帝政の最大の敵とみなされ、同誌に対する訴追政敵との決闘によって、帝政に不満をもつパリ民衆喝采(かっさい)を博した。パリ・コミューンに際しては新聞紙上で支援したため逮捕され、南太平洋に流刑囚として送られた。脱走とそれに引き続く亡命生活ののち、1880年、大赦によりパリに帰還し、社会主義系紙『アントランシジャン』を発刊して政府批判を行ったが、ブーランジェ将軍を支持して社会主義運動を離れ、さらにドレフュス事件で反ドレフュス派に加わって民衆の支持を失った。

[相良匡俊]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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