ロマヌス(英語表記)Romanus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロマヌス」の意味・わかりやすい解説

ロマヌス
Romanus

[生]?. チビタカステラーナ近郊
[没]897.11.
チビタカステラーナ近郊出身の第114代教皇在位 897.8~11.)。枢機卿(→カーディナル)を務めていたが,教皇ステファヌス6世(7世。在位 896~897)が殺害された直後の混乱のなか教皇に選出された。ステファヌス6世(7世)は,教皇フォルモスス(在位 891~896)の墓を暴き,「死体会議」で冒涜したとして投獄され,フォルモススの支持者らにより絞殺されたと考えられている。登位した時期は,ステファヌス6世(7世)の支持者と,死体会議に反対した者たちとの政争が続いていた。ロマヌスのもと,フォルモススの遺体テベレ川から引き揚げられ埋葬されたが,死体会議の無効化とフォルモススの名誉回復は数年後の教皇ヨハネス9世(在位 898~900)の治世まで公表されなかった。ロマヌスは,ステファヌス6世(7世)の支持者らにより廃位されたとみられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android