ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨハネス9世」の意味・わかりやすい解説
ヨハネス9世
ヨハネスきゅうせい
Johannes IX
[没]900.1.
ローマ出身の第116代教皇(在位 898~900)。教皇候補だったセルギウス(のちの教皇セルギウス3世)と対立し,教皇選出後にセルギウスを追放した。ローマとラベンナに議会を招集し,教皇ステファヌス6世(7世。在位 896~897)によって「死体会議」にかけられた教皇フォルモスス(在位 891~896)の名誉回復に着手した。死体会議では,フォルモススの遺体が墓から掘り起こされて裁判にかけられ,教皇位を無効にする判決を受けていた。ヨハネス9世は死体会議を非難し,その決議を破棄し,ステファヌス6世(7世)によって退位させられた聖職者たちを復帰させた。また,フランク族(→フランク王国)の西ローマ皇帝ロタール1世(在位 840~855)のローマ勅令 Constitutio Romanaを追認し,これにより教皇の聖別の際には皇帝の使者の同席が強制されることとなった。
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