ロレンツェッティ(読み)ろれんつぇってぃ(英語表記)Ambrogio Lorenzetti

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ロレンツェッティ(Ambrogio Lorenzetti)
ろれんつぇってぃ
Ambrogio Lorenzetti
(1285ころ―1348)

イタリアの画家。ピエトロの兄弟で、ドゥッチョ、シモーネ・マルティーニとともにシエナ派を代表する画家。ピエトロと同様にドゥッチョか、その周辺の画家のもとで修業したと思われるが、フィレンツェの新しい絵画からも学んだ。彼は14世紀の初めにフィレンツェで仕事をしたシエナ画家の1人で、フィレンツェの組合に登録した記録がある。たとえば、空間の三次元的表現をジョット絵画から習得し、この点では14世紀でもっとも進んだ作品を残している。シモーネ・マルティーニがアビニョンに行ったのち、彼はいわばシエナ共和国の画家といった扱いを受け、1330年代に多くの重要な仕事を市政府から依頼された。そのもっとも重要な遺品は、シエナのパラッツォ・プブリコ(市庁舎)内の「平和の間」に残る壁画である。このうちの「善き政府の効果」、つまり善政下の都市国家のようすを表した作品は、当時の生活を生き生きと伝える傑作としてことに名高い。彼の作品には、ピエトロの場合とは異なり、独特のおおらかさと人間味、そしてしっかりとした現実感がある。彼はシエナ派とフィレンツェ派の成果を融合することに成功した画家だった、といえよう。1348年の黒死病(ペスト)で没した。[石鍋真澄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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