ワーツラフ1世(読み)ワーツラフいっせい(英語表記)Václav I; Wenzel(Wenzeslaus) I

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワーツラフ1世」の意味・わかりやすい解説

ワーツラフ1世
ワーツラフいっせい
Václav I; Wenzel(Wenzeslaus) I

[生]1205
[没]1253.9.22. ベロウン
ボヘミア王 (在位 1230~53) 。ウェンツェル1世ウェンツェスラウス1世とも呼ばれる。オタカル1世の子。王位世襲が認められ,長子相続制によって王位についた最初のボヘミア君主。 1241年モラビアに侵入したモンゴル勢力を撃退,1246年オーストリアに進出しようとしたが,果たさなかった。その治世中にボヘミア王国の産業,文化が大いに発展し,神聖ローマ帝国内に占める位置が強化された。しかし国内貴族勢力を押さえる目的でドイツ人修道士,開拓農民の誘致を積極的に行なったため,1248~50年神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世に扇動された貴族勢力の反対にあった。晩年の 1251年姻戚関係により次男オタカル2世をオーストリア公位につけることに成功,念願を実現した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android