山川 世界史小辞典 改訂新版 「ヴィシュヌ」の解説
ヴィシュヌ
Viṣṇu
インドの神。『リグ・ヴェーダ』では全宇宙を3歩で闊歩(かっぽ)したとたたえられる神。インドラの神話に助け手として登場する。ヴェーダ祭式ではさまざまな機会に祭神となる。ヒンドゥー教では,創造の神ブラフマー,破壊の神シヴァと並び世界を維持する神として三大神の一つとなる。富の女神シュリー・ラクシュミー(吉祥天)を配偶神とし,円盤を武器に,ガルダ鳥(迦楼羅)を乗物とする。大蛇シェーシャに横たわり眠る彼のへそから生じた蓮(はす)からブラフマー神は生まれ,世界を創造した。さまざまな化身(アヴァターラ)の姿で地上の悪を滅ぼすために現れる。クリシュナ,ラーマとしての化身は有名。仏陀(ブッダ)となり魔族に仏教を教え迷わせた。ヴァースデーヴァ,ナーラーヤナなどの名でも呼ばれる。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報