山川 世界史小辞典 改訂新版 「ヴィシー政権」の解説
ヴィシー政権(ヴィシーせいけん)
Gouvernement de Vichy
1940年7月10日,中部フランスの町ヴィシーを首都として成立したフランスの政権。ペタン元帥が国家首席として理論上,立法,行政,司法の各分野にわたる絶対権を行使したが,フランス本土の5分の3はドイツ軍に占領され,赤道アフリカやカメルーンは自由フランス政府の勢力下に入ったので,その支配はフランスの一部分にしか及ばなかった。政府は権威主義的な国民革命の実現を唱え,第三共和政の諸制度を廃棄したが,その対ドイツ協力政策はレジスタンス運動の発展を促し,1944年夏連合軍がフランスに進攻してドイツ軍が撤退するや,解体・消滅した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報