世界大百科事典 第2版 「当世下手談義」の意味・わかりやすい解説
いまようへただんぎ【当世下手談義】
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
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談義本。5巻5冊。1752年(宝暦2)江戸刊。作者静観坊好阿(じょうかんぼうこうあ)は、『当風辻(つじ)談義』(1753)によれば、浄土僧から還俗(げんぞく)して医者となり、諸国遊歴ののち大坂で念仏三昧(ざんまい)の生活を送ったという。内容はごく卑近な風俗習慣を滑稽(こっけい)奇抜な趣向で包み、おもしろい表現のうちに教化徳育の実を含ませるというもの。ようやく浸透してきた享保(きょうほう)の改革の意図を含み、庶民向けの談義説法の体裁を借りていわゆる「談義本」の端緒をなし、江戸戯作(げさく)開花のきっかけをつくった。
[中野三敏]
『野田寿雄校註『当世下手談義・教訓続下手談義』(1969・桜楓社)』
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
…十返舎一九作《東海道中膝栗毛》(初編1802)以後明治初年までの滑稽諧謔を旨とする作品を指すが,文学史上は,中本の源流とみなしうる宝暦・明和(1751‐72)のころの,笑いを内包する教訓的作品をもふくめている。 文学史上,滑稽本の最初は1752年(宝暦2)刊の静観房好阿(じようかんぼうこうあ)作《当世下手談義(いまようへただんぎ)》とされ,当時の町の生活,風俗を批判,教訓するものであるが,説経僧の語り口を採用しておのずと笑いをかもし出す。以後この種の作品が続いて出るが,封建社会の矛盾を暴露した風来山人作の《風流志道軒伝》(1763)以後は,洒落本や黄表紙に押されていく。…
…江戸時代の1752年(宝暦2)から89年(寛政1),寛政改革で弾圧されるまで流行した風刺的な小説の総称。当時〈教訓本〉〈よみ本〉〈談義本〉などといわれたが,実際は1752年の静観坊好阿(じようかんぼうこうあ)の《当世下手談義(いまようへただんぎ)》から始まった小説であるから,〈談義本〉という呼称が適当であろう。《下手談義》は宝暦の世相を風刺した滑稽小説であるが,大きな反響を呼び,《教訓雑長持》《当風辻談義》などの後続作を生んだ。…
※「当世下手談義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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