一休咄(読み)いっきゅうばなし

改訂新版 世界大百科事典 「一休咄」の意味・わかりやすい解説

一休咄 (いっきゅうばなし)

仮名草子。1668年(寛文8)刊。4巻。編著者未詳。一休和尚の逸話集で,序文に《狂雲集》を俗解したと断っているが,あまり関係はない。一休の幼少ころのとんちばなしに始まって,蜷川(になかわ)新右衛門との交遊,関の地蔵小便をかける話,タコを食う話など46話がある。笑話本として歓迎され,また《一休関東咄》《二休(じきゆう)咄》のごとき模倣書も作られた。一休の伝説化に果たした役割は大きい。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報