一期校・二期校(読み)いっきこう・にきこう

大学事典 「一期校・二期校」の解説

一期校・二期校
いっきこう・にきこう

第2次世界大戦後の学制改革により,1949年(昭和24)新制大学(日本)が発足すると同時に,国立大学を一期校・二期校に区分し,それぞれの入学試験を別日程で実施する仕組みが導入された。受験生に国立大学の受験機会を2回与える意図があったとされるが,旧帝国大学(日本)をはじめとする有名大学が一期校に集中し,昭和30年代以降は一期校・二期校の区分が固定化したことから,一期校が一流,二期校は二流という格付けが生まれ,その教員や学生の間には「二期校コンプレックス(日本)」が広がっていたともいわれる。二期校が受験生にとって滑り止め的な存在となり,入試当日の欠席者や合格辞退者が大量に発生する上,他府県の学生が多数出願するため,地方の中心的大学が多い二期校に地元の学生が合格し難くなるという問題も生じた。また専攻別にみると,法学部医学部薬学部等が一期校に多く,教育学部は二期校に集中するなどの不衡も指摘されていた。これらの理由により国立大学の中では一期校・二期校の区分撤廃を求める声が多く,1979年から共通一次試験が開始されるのを機に廃止された。
著者: 寺倉憲一

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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