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一物一権主義 いちぶついっけんしゅぎ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

一物一権主義
いちぶついっけんしゅぎ

一つのに対しては一つの所有権しか存在することができないという原則。民法上二つの意味に用いられる。第一には、一つの物のうえには一つの権利(物権)しか成立しないという意味であって、たとえば一つの土地のうえに完全な形の二つの所有権が重複して存在することはない。ただし、内容の矛盾しない物権、所有権と地上権の両立、もしくは順位をつけて設定される抵当権などはこの原則に違反しない。第二には、権利は1個の独立した物のうえにしか成立しないという意味であり、たとえば、煙突の下半分といった物の一部は所有権の対象とすることはできないし、また集合物のうえには物権が存在しないが、逆に集まっている物の数だけの権利が成立することになる。しかし、近年の著しい経済発展に伴い、企業内の機械や建物などをまとめて抵当権の対象とする各種の財団抵当法など、この主義の例外を認める特別立法もみられる。[高橋康之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の一物一権主義の言及

【物権】より


[物権の客体]
 物権の客体は物(有体物)であるが,物は,原則として1個の独立物でなければならない。これを一物一権主義という。1個の物の一部ないし構成部分には物権は成立しえない。…

※「一物一権主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報