一般職業紹介状況(読み)いっぱんしょくぎょうしょうかいじょうきょう(英語表記)Employment referrals for general workers

日本大百科全書(ニッポニカ)「一般職業紹介状況」の解説

一般職業紹介状況
いっぱんしょくぎょうしょうかいじょうきょう
Employment referrals for general workers

公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況(新規学卒者を除く)を取りまとめ、求人倍率等の指標を算出することを目的にした統計調査。厚生労働省が毎月作成・公表している。業務統計の一種であり、職業安定業務統計ともよばれる。

 もっとも注目される指標が有効求人倍率である。これは有効求人数を有効求職者数で割った値であり、この値が1を超えるかどうかが雇用環境のよしあしの判断材料になっている。景気とほぼ一致して動くと考えられることから、景気動向指数の一致指数の算出にも用いられている。

 月単位の有効求人倍率を例にとると、月間有効求人数を月間有効求職者数で割ったものとなる。ここで月間有効求人数とは、前月から繰り越された有効求人数(前月末日現在において、求人票の有効期限が翌月以降にまたがっている未充足の求人数)と当月の新規求人数の合計数をさす。一方、月間有効求職者数とは、前月から繰り越された有効求職者数(前月末日現在において、求職票の有効期限が翌月以降にまたがっている未決定の求職者)と当月の新規求職申込件数の合計数をいう。

 以上からわかるように、有効求人数や有効求職者数は前月から繰り越された数も含まれることから、新規求人数や新規求職申込件数のほうが、雇用情勢の変化をいち早く示すことになる。そのため、新規求人数は景気動向指数の先行指数の算出に用いられている。また、新規求人数を新規求職申込件数で割った値である新規求人倍率も注目されている。

 このほか、一般職業紹介状況では、就職件数(有効求職者が公共職業安定所の紹介により就職したことを確認した件数)などのデータも公表されており、これは雇用分析の一種であるUV分析(失業unemployment・欠員vacancy分析)に使われている。

 このように雇用情勢を分析するうえで注目される一般職業紹介状況ではあるが、公共職業安定所経由の求人、求職しかとらえられていないという限界もある。とくに、求人は民間企業で行われているものも多く、日本全体の求人状況を十分カバーできていないのではないかとみる専門家もいる。

[飯塚信夫 2020年12月11日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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