一谷(読み)いちのたに

精選版 日本国語大辞典 「一谷」の意味・読み・例文・類語

いちのたに【一谷】

  1. [ 1 ] ( 一ノ谷 ) 神戸市須磨区南西端の地名鉄拐(てっかい)、鉢伏(はちぶせ)の二山が海に迫る地。上方安徳天皇の内裏跡があり、鉄拐山の北に鵯越(ひよどりごえ)がある。源平の古戦場。浜須磨。
    1. [初出の実例]「一谷は北は山、南は海」(出典:平家物語(13C前)九)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. 当世兜の変わり鉢の一種。頭立(ずたて)の部分を高く峰を一文字にきりたった作りもの。〔武具訓蒙図彙(1684)〕
      1. 一の谷<b>[ 二 ]</b><b>①</b>
        一の谷[ 二 ]
    2. 女陰をいう俗語。〔特殊語百科辞典(1931)〕
      1. [初出の実例]「『一の谷さ』と俺は言ったが、相手にはまだ通じない」(出典:いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉二)

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