一ノ谷(読み)イチノタニ

デジタル大辞泉 「一ノ谷」の意味・読み・例文・類語

いちのたに【一ノ谷】

神戸市須磨区西部の地名安徳天皇内裏だいり跡や鵯越ひよどりごえがある。源平古戦場

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日本歴史地名大系 「一ノ谷」の解説

一ノ谷
いちのたに

六甲ろつこう山地南西端、現神戸市須磨区・垂水区境にある鉄拐てつかい山・鉢伏はちぶせ山の南東急斜面に形成された三筋の浸食谷を東から一ノ谷・ノ谷・さんノ谷という。近世には谷口を山陽道が通り、「摂津名所図会」には「一谷、西須磨村はづれより一町余り西にあり、谷の広さ二十間ばかり、高さ十二間、谷口より波打際まで一町余あり、この谷深くして霖雨には流水あり」「二谷、一谷より西三町にあり、谷の奥四町、横幅八間、高さ九間」「三谷、二谷より西三町にあり、谷の奥二町余、横幅十九間、高さ九間」と記される。南側は海に面し、北側は峻嶮な山が迫る天険の地で、「平家物語」巻九(樋口被討罰)に「一の谷は北は山、南は海、口はせばくて奥ひろし、岸たかくして屏風をたてたるにことならず」とみえ、一ノ谷は源平合戦の古戦場の一。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一ノ谷」の意味・わかりやすい解説

一ノ谷
いちノたに

兵庫県神戸市須磨区,六甲山地南西端の鉄拐山 (237m) が大阪湾須磨浦にのぞむ斜面に発達した峡谷の1つ。東から一ノ谷,二ノ谷,三ノ谷,敦盛塚川の谷が並んでいる。一ノ谷川の上流に内裏跡,河口付近に「たたかいの浜」,敦盛塚川のほとりに敦盛塚などがあり,源平古戦場 (→一ノ谷の戦い ) として名高い。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「一ノ谷」の解説

一ノ谷
(通称)
いちのたに

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
一谷嫩軍記
初演
宝暦2.4(江戸森田座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の一ノ谷の言及

【鵯越】より

…播磨・摂津の境の一ノ谷(現,兵庫県神戸市須磨浦の西)の北の山ノ手の称。ヒヨドリが春秋にこの山を越すので〈鵯越〉の称が生まれたという。…

※「一ノ谷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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