朝日日本歴史人物事典 「万安英種」の解説
万安英種
生年:天正19(1591)
江戸前期の曹洞宗の僧。江戸の人。9歳で武蔵(東京都)起雲寺の源室に従って僧童となり,11歳で得度。諸国行脚ののち,肥後(熊本県)大慈寺の大焉広椿に印可された。江戸に戻り起雲寺の源室の後席を継いだが,10年住持ののち,丹波(京都府)瑞巌寺,摂津(大阪府)臨南寺に隠棲。慶安2(1649)年に山城(京都府)淀城主永井尚政の後援を得て宇治興聖寺を再建。古風の復古を標榜し,門下に祖録などの講義をしたが,その記録が「抄物」として多く残された。晩年宗風をめぐる雑学事件に巻き込まれ,罰された。<著作>『臨済録抄』<参考文献>曹洞宗宗務庁編『曹洞宗近世僧伝集成』
(志部憲一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報