万年通宝（読み）マンネンツウホウ

デジタル大辞泉

まんねん‐つうほう【万年通宝】

和同開珎かいちんについで、天平宝字4年（760）に鋳造発行された銅銭。皇朝十二銭の一。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

まんねん‐つうほう【万年通宝】

1. 〘 名詞 〙 奈良時代、天平宝字四年（七六〇）に金銭開基勝宝・銀銭太平元宝とともに鋳造発行された銅銭。発行当初、銅銭和同開の一〇倍通用と規定されたが、実質的に大差がないため、一二年後の宝亀三年（七七二）にはそれと等価で通用されるに至った。なお、太平元宝は万年通宝の一〇倍、開基勝宝は太平元宝の一〇倍通用であった。
   1. 
      万年通宝
   2. [初出の実例]「其新銭文曰_二万年通宝_一。以_レ一当_二旧銭之十_一」(出典：続日本紀‐天平宝字四年（760）三月丁丑)

出典　精選版 日本国語大辞典

改訂新版　世界大百科事典

万年通宝 (まんねんつうほう)

→皇朝十二銭

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

旺文社日本史事典 三訂版

万年通宝
まんねんつうほう

皇朝十二銭の一つ。760年鋳造。

出典　旺文社日本史事典 三訂版

世界大百科事典（旧版）内の万年通宝の言及

【開基勝宝】より

…古代唯一の金銭。760年(天平宝字4)3月の勅(《続日本紀》)によって，銀銭大平元宝，銅銭万年通宝とともに発行が命ぜられた。その法定価値は，開基勝宝1枚が大平元宝10枚に相当し，大平元宝1枚が万年通宝10枚に，万年通宝1枚が和同開珎10枚に相当するものと定められた。…

【銭相場】より

…日本において銭貨の交換割合がはじめて定められたのは721年(養老5)1月で，銀貨の和同開珎1枚をもって銅貨の和同開珎25枚(文)に相当することとした。ついで760年(天平宝字4)発行の金貨開基勝宝は1枚をもって同年発行の太平元宝(銀貨)10枚，また太平元宝1枚は同年発行の万年通宝(銅貨)10枚に相当するという交換割合が規定された。江戸時代に入って，幕府は1608年(慶長13)12月，永楽銭1貫文＝鐚銭（びたせん）4貫文＝金1両とし，翌年には金銀銭貨の比価を金1両＝銀50匁＝永楽銭1貫文＝京銭(鐚銭と同義語)4貫文とした。…

※「万年通宝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」