三下(読み)サンシタ

デジタル大辞泉 「三下」の意味・読み・例文・類語

さん‐した【三下】

[名・形動]
ばくち打ちの仲間下っ端の者。三下奴さんしたやっこ
取るに足らない者。下っ端の者。また、取るに足らないさま。
「見栄を並べる、―な屋郎やらうたあ違ふによ」〈洒・船頭部屋〉
[補説]ばくちで、さい目数が三より下の場合には、まず勝ちめがないというところから言いはじめたという。

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精選版 日本国語大辞典 「三下」の意味・読み・例文・類語

さん‐さがり【三下】

  1. 〘 名詞 〙 ( 三の弦が下がった調弦の意 ) 三味線の調弦法の一つ本調子の第三弦を一全音下げたもの。二上がりの第一弦を一全音上げて作ることもある。優美で沈んだ気分を表わし、長唄小唄に多く用いられる。また、それによる節まわし。
    1. [初出の実例]「ごぜ、座頭に一曲弾かせ〈略〉右の手の三脈が三さがり・二上りに、ぴんぴんしたる見立也」(出典:浄瑠璃・聖徳太子絵伝記(1717)三)

さん‐した【三下】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 博徒仲間で下っ端の者。また、とるにたりないさま。さんしたやっこ。さんしたやろう。
    1. [初出の実例]「龍宮の火の見やぐらの足代をかけたのと、見へをならべる、さんしたな野郎たアちがうによ」(出典:洒落本・船頭部屋(19C初)七軒堀親里の套)

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