(読み)サン

デジタル大辞泉 「三」の意味・読み・例文・類語

さん【三】[漢字項目]

[音]サン(呉)(漢) [訓]み みつ みっつ
学習漢字]1年
サン
数の名。みっつ。「三角三脚三国三役
三番目。「三更三流三人称
みたび。三度。「三顧三振再三
何度も。「三嘆三拝九拝
三河みかわ国。「三州
〈み・みつ〉「三日月みかづき三日みっか三葉みつば
[名のり]かず・こ・そ・ただ・なお
難読三鞭酒シャンパン三和土たたき三十みそ三十みそじ三十日みそか三椏みつまた三幅みの

さん【三/参】

数の名。2の次、4の前の数。みっつ。みつ。
3番目。第3。
三味線で、三の糸。
[補説]「参」は、主に証書などに金額を記すとき、間違いを防ぐために「三」の代わりに用いることがある。
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ九つとお

み【三】

さん。みっつ。数を数えるときの語。「ひ、ふ、、よ」
さん。みっつ。名詞の上に付けて用いる。「みとせ

サン【三】

《〈中国語〉》数の、さん。みっつ。

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精選版 日本国語大辞典 「三」の意味・読み・例文・類語

み【三】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 三つ。名詞・助数詞の前に付けて用いる。「三皿(みさら)」「三棟(みむね)」「三度(みたび)」など。
    1. [初出の実例]「ありきぬの 美(ミ)(ヘ)の子が 捧がせる 瑞玉盞(みづたまうき)に」(出典古事記(712)下・歌謡)
  3. 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの三。普通は「ひーふーみーよー」のように長く発音する。みい。
    1. [初出の実例]「一(ひと)(ふた)(ミ)(よ)(いつ)(むゆ)(なな)(や)(ここの)(たりや)」(出典:年中行事秘抄(12C末)鎮魂祭歌)

サン【三】

  1. 〘 名詞 〙 「三(さん)」の中国音。みっつ。江戸時代には拳(けん)の用語として用いられ、現代ではマージャン用語として用いられる。
    1. [初出の実例]「真(ほんとう)の拳と云ふ物は一(イイ)(リャン)(サン)(スウ)(ウウ)(リウ)(チヱイ)(パマ)(クヮイ)といふものだっサ」(出典:滑稽本浮世風呂(1809‐13)三)

さん【三・参】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 数の名。一の三倍。また、いくつかに分けたものの三つ。三つめ。二の次
    1. [初出の実例]「伏して皇帝陛下を惟みれば、一を得て光宅し、三(さん)に通じて亭育したまふ」(出典:古事記(712)序)
  3. さん(三)の糸」の略。
    1. [初出の実例]「一筋を諫(いさめ)過して二筋に 三がきれては引にひかれぬ」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第一九)

みい【三】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み(三)」を延ばして発音した語 ) 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの三(さん)
    1. [初出の実例]「君か代は長の数よむひいふうみい〈西鶴〉 たはね木をつむ高き屋の内〈西吟〉」(出典:俳諧・西鶴五百韻(1679)何鞠)

さんいち‐どくりつうんどう【三・一独立運動】

  1. 日本統治下の朝鮮で、大正八年(一九一九)三月一日から始められた朝鮮民族の独立運動。京城(現在のソウル)で独立宣言を発表、民衆は「独立万歳」を叫んで大示威運動を起こし、たちまち全国に波及したが、日本側は軍隊や警察を出動させてこれを鎮圧した。万歳事件

さんいちご‐じけん【三・一五事件】

  1. 昭和三年(一九二八)三月一五日、田中義一内閣によって全国的規模で行なわれた、日本共産党員などの大検挙事件。約一六〇〇名が検挙され、うち四八三名が治安維持法違反で起訴された。三・一五検挙。第二次共産党事件。

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普及版 字通 「三」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 3画

(異体字)參
11画

[字音] サン
[字訓] みつ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 指事
横画三本をならべた形。細長い木を並べた数とりのしかたを、そのまま字形化した。卜文・金文では一より四までをこの形式であらわす。〔説文〕一上に「天地人のなり」という。一には「は一に立つ」、二十三下には「地の數なり」とし、三において天地人の道が備わるとする。古い自然哲学における、発生論的な考えかたである。それで王の字形を、天地人三才を貫くもので、道の実践者とするが、王の字形は大きな鉞頭の形。三は聖数とされ、その名数の語は千数百にも及び、〔字類編〕中の三巻を占めている。金文に、官名や分数的表示のときに參(参)を用いる。參は(かんざし)三本を髪に挿した形で参集の意があり、三と声義の通ずる字である。は古文。一、二にもその形式の古文がある。

[訓義]
1. みつ、数の三。
2. みたびする、みつにする、三分する。
3. 天地人、三才。
4. 多数、しばしばする。
5. 三つ星。
6. 参と通用する。

[古辞書の訓]
名義抄〕三 ミトコロ 〔字鏡集〕三 カサヌ・ミトコロ・ミツ・タカシ・シゲシ

[語系]
三sm、參・驂tsmは声近く、通用することがある。星の名のときは參shimとなる。また卅spは三十sm-zjipの合音であろう。參は齊(斉)と同じく、三本の(しんけい)を髪に加える形。齊は平行に立てて加え、參は左右を斜めに中央に集める形であるから、参集・集の意となる。三馬を駕することを驂という。

[熟語]
・三握・三衣・三衛・三易・三益・三苑・三下・三夏・三箇・三戒・三槐・三・三・三恪・三革・三閣・三竿・三浣・三寒・三澣・三鑑・三帰・三儀・三脚・三教・三極・三・三・三軍・三計・三・三径・三献・三元・三顧・三姑・三壺・三公・三光・三后・三庚・三更・三綱・三皇・三叉・三才・三采・三宰・三歳・三載・三材・三策・三尸・三巳・三芝・三始・三思・三師・三事・三辞・三舎・三寿・三従・三粛・三出・三春・三旬・三少・三笑・三殤・三觴・三条・三畳・三譲・三上・三晋・三辰・三秦・三仁・三垂・三推・三寸・三正・三省・三聖・三世・三成・三牲・三旌・三清・三精・三隻・三尺・三折・三絶・三泉・三線・三選・三俎・三素・三層・三蒼・三族・三属・三・三損・三多・三咤・三太・三大・三代・三台・三度・三単・三袒・三嘆・三壇・三知・三遅・三虫・三黜・三朝・三点・三斗・三吐・三冬・三倒・三党・三登・三統・三洞・三徳・三飯・三品・三風・三伏・三復・三物・三墳・三聘・三輔・三・三彭・三墨・三昧・三務・三命・三酉・三宥・三友・三余・三葉・三雍・三踊・三曜・三浴・三楽・三吏・三流・三閭・三両・三稜・三礼・三老・三論・三惑
[下接語]
元三・再三・三・第三・朝三・当三・二三・年三・両三・累三

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