三之瀬海駅(読み)さんのせかいえき

日本歴史地名大系 「三之瀬海駅」の解説

三之瀬海駅
さんのせかいえき

[現在地名]下蒲刈町三之瀬

蒲刈島の東岸、三之瀬に置かれた海駅。福島正則は瀬戸内海航路の要港であった三之瀬を海駅に指定し、長さ六三間の階段状の繋船場である雁木を築いた。これは現在福島雁木ふくしまがんぎとよばれて残るが、浅野氏もここを藩の繋船場とし、本陣・上の御茶屋・下の御茶屋・番所などを置いた。本陣や上下の御茶屋は、将軍交代のたびに朝鮮国王から派遣される朝鮮信使や、江戸参府のオランダ商館のカピタンの宿館にもあてられた。「芸藩通志」に「海駅三瀬 蒲刈島にあり、哨堡あり、館庁あり、舟師逓送東は備後鞆津まで廿里、西は周防上関に至る廿里、禄百石以上の士一員を置き、官使の往来、列侯賓旅接遇のことを掌る、韓人来聘も亦此地を饗所となせり」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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