三希堂法帖(読み)さんきどうほうじょう

百科事典マイペディア 「三希堂法帖」の意味・わかりやすい解説

三希堂法帖【さんきどうほうじょう】

中国,清代の1747年(乾隆12年)に梁詩正らが勅命を奉じて内府秘蔵の書跡を集刻したもの。全32冊。〈三希堂〉とは,王羲之の《快雪時晴帖》,王献之の《中秋帖》,王【じゅん】(おうじゅん)の《伯遠帖》にちなんで命名され,この3帖のほか魏の鍾【よう】(しょうよう)から明の董其昌(とうきしょう)に至るまでの名跡を収める。

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世界大百科事典(旧版)内の三希堂法帖の言及

【清代美術】より

…次に乾隆年間を帖学後期とする。康熙帝勅撰による歴代書画の文献の集大成した《佩文斎(はいぶんさい)書画譜》,乾隆帝勅撰の内府所蔵の名跡を選んで上石した《三希堂法帖》《淳化閣帖》に考証,釈文を加えた《欽定重刻淳化閣帖》などにより帖学の学問的基礎が成立し,帖学の隆盛期を迎えるに至った。張照,王文治,梁同書らがこの時期の代表的書人であり,なかでも劉墉(りゆうよう)は渾厚な風格を備えた名家として尊ばれる。…

【法帖】より

…法とは習字の手本とすべき法書,帖は冊子のことで,狭義には中国において古人の名跡を複製して書の学習や鑑賞の用に備えたものをいう。その製法は,はじめ原跡から双鉤塡墨(そうこうてんぼく)で写し取ったものを木板または石材に陰字に鐫刻(せんこく)し,それを拓本にとって白文の墨摺りとし,帖冊に仕立てる。帖末には多くは〈謀年謀月某摸勒上石〉という刊記を付け加えている。その拓し方により,淡墨で蟬の羽のように透明感のある蟬翼(せんよく)拓本,濃墨で光沢のある烏金(うきん)拓本,麻布を石と紙の間にあててその布目を出した隔麻拓本があり,興趣を異にしている。…

※「三希堂法帖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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