日本歴史地名大系 「三桑郷」の解説 三桑郷みくわごう 岐阜県:美濃国大野郡三桑郷「和名抄」所載の郷。通例によってミクワとよむ。遺称地など残らず、比定地未詳。「濃飛両国通史」は明見(あかみ)郷と併せて両郷を豊木(とよき)村ならびに鶯(うぐいす)村西部の公郷(くごう)付近(ともに現揖斐郡大野町)としている。「揖斐郡志」は下長瀬(しもながせ)村の元禄期(一六八八―一七〇四)の検地帳にみえる「夕木真桑田」の地名を遺存地名として長瀬村・谷汲(たにぐみ)村(以上現同郡谷汲村)を比定地とし、「大日本地名辞書」もこれに従っている。「岐阜県史」は西郡(さいぐん)地区(現大野町)にあてている。これらに対して「新撰美濃志」「日本地理志料」は根尾(ねお)川東岸の現本巣(もとす)郡真正(しんせい)町真桑(まくわ)に着目し、そこを中心として北の土貴野(ときの)村(現本巣郡糸貫町)、西の弾正(だんじよう)村(現真正町)の地域に比定している。 三桑郷みくわごう 岐阜県:美濃国不破郡三桑郷「和名抄」所載の郷。遺存地名などはなく、比定地は不詳であるが、「大日本地名辞書」は近江国との国境に接する現関ヶ原町今須(います)にあてている。一方、「濃飛両国通史」は郷配置により現大垣市静里(しずさと)地区にあてる説を提示し、「岐阜県史」もその説を踏襲している。相(あい)川旧河道左岸に沿って下ってくる郷の配列から、大谷(おおたに)川と杭瀬(くいせ)川に挟まれた静里地区にあてるのが適当か。この推論によると、郡の最東端の郷ということになる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by