精選版 日本国語大辞典 「三股・三叉・三俣」の意味・読み・例文・類語
みつ‐また【三股・三叉・三俣】
[1] 〘名〙
① 川、道路、木の枝などが三筋に分かれていること。また、そのものやその場所。
※大智度論平安初期点(850頃か)一六「三股(ミツマタ)なる釵を捉り」
③ 先端がY字形になった棒。物干し竿などをかけるために立てたり、物を高い所にかける時などに用いたりする。さんまた。
※暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉四「三叉(ミツマタ)に竹竿を渡し」
④ (三叉・三椏) ジンチョウゲ科の落葉低木。中国原産で、古く渡来し、四国・中国地方で多く栽培される。高さ一~二メートル。枝は三本ずつに分かれる。葉は短柄をもち長楕円状披針形で、裏は灰白色を帯び、長さ一〇~一五センチメートル。晩秋、枝梢から花蕾(からい)をたれ、翌春、葉に先だって黄色い筒状花を蜂の巣のようにつける。樹皮の繊維から和紙をつくる。漢名、黄瑞香。むすびぎ。みまたやなぎ。
▼みつまたの花《季・春》 〔大和本草(1709)〕
[2] 東京の隅田川の新大橋と清洲橋との間、小名木川の入り口付近をいった語。江戸時代は東叡山・愛宕山・富士山などを望む景勝地として知られた。
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