三車火宅(読み)さんしゃかたく

精選版 日本国語大辞典 「三車火宅」の意味・読み・例文・類語

さんしゃ‐かたく ‥クヮタク【三車火宅】

〘名〙 (「火宅」は三界のたとえ) 仏語。「法華経‐譬喩品」に説くたとえ。ある長者が、火の燃えさかる家から三人の子どもを助け出すために、それぞれが好む羊車鹿車牛車を与えようと約束し、逃げ出して来たあとにそれぞれに大白牛車を与えた、という。羊、鹿、牛の三車、すなわち声聞縁覚菩薩三乗の教えによって、火につつまれる家にも等しい三界から、仏が衆生を導き出そうとしたことをいう。
※虎明本狂言・牛博労(室町末‐近世初)「法花経には、三じゃくゎたくのたとへをあげられて候」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android