ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三遊亭円丈」の意味・わかりやすい解説
三遊亭円丈
さんゆうていえんじょう
落語家。本名大角弘。明治大学文学部中退。1964年 6世三遊亭円生に入門,三遊亭ぬう生となる。1969年二つ目昇進。古典落語では円生からお墨付きを得て将来を嘱望されたが,新作落語を志した。1976年素人の作家集団ボールペンクラブを結成し,翌 1977年から『実験落語』を開催。これまで落語が取り上げなかったテーマで,落語家の作家性を前面に打ち出した新作落語を語り始める。1978年真打ちに昇進し,三遊亭円丈を襲名。師匠の円生が落語協会を脱会し落語三遊協会を設立,円丈はこれに従ったものの,翌 1979年円生が急死し落語協会に戻る。この顛末は著書『御乱心』(1986)で詳しく語られている。1980年頃から『グリコ少年』『悲しみは埼玉へ向けて』などの新作落語が注目を集め,またコマーシャルにも出演。1991年「応用落語」,2000年「新作落語2000」など新しい新作落語の会を立ち上げ,6世桂文枝ら上方落語や,三遊亭白鳥,柳家喬太郎ら次世代の新作落語派に大きな影響を与えた。落語以外でもゲームの制作や狛犬の研究などで活躍している。
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