三遊亭円丈(読み)さんゆうていえんじょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三遊亭円丈」の意味・わかりやすい解説

三遊亭円丈
さんゆうていえんじょう

[生]1944.12.10. 愛知,名古屋
落語家。本名大角弘。明治大学文学部中退。1964年 6世三遊亭円生に入門,三遊亭ぬう生となる。1969年二つ目昇進。古典落語では円生からお墨付きを得て将来を嘱望されたが,新作落語を志した。1976年素人の作家集団ボールペンクラブを結成し,翌 1977年から『実験落語』を開催。これまで落語が取り上げなかったテーマで,落語家の作家性を前面に打ち出した新作落語を語り始める。1978年真打ちに昇進し,三遊亭円丈を襲名師匠の円生が落語協会を脱会し落語三遊協会を設立,円丈はこれに従ったものの,翌 1979年円生が急死し落語協会に戻る。この顛末著書『御乱心』(1986)で詳しく語られている。1980年頃から『グリコ少年』『悲しみは埼玉へ向けて』などの新作落語が注目を集め,またコマーシャルにも出演。1991年「応用落語」,2000年「新作落語2000」など新しい新作落語の会を立ち上げ,6世桂文枝ら上方落語や,三遊亭白鳥,柳家喬太郎ら次世代の新作落語派に大きな影響を与えた。落語以外でもゲームの制作や狛犬の研究などで活躍している。

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