上州一揆(読み)じょうしゅういっき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「上州一揆」の意味・わかりやすい解説

上州一揆
じょうしゅういっき

15、16世紀に活躍した上野(こうずけ)国(群馬県)の国人(こくじん)一揆。14世紀、南北朝時代に活躍した白旗(しらはた)一揆のうち上野国のメンバーが、藤(とう)氏一揆などを含み込んで、15世紀中葉には上州一揆として姿を現した。守護山内上杉(やまのうちうえすぎ)氏の軍事力を構成し、永享(えいきょう)の乱(1438~39)、結城(ゆうき)合戦(1440~41)、享徳(きょうとく)の乱(1454~78)などに活躍した。その構成員には赤堀、高田、綿貫(わたぬき)、一宮(いちのみや)、諏訪(すわ)、長野、倉賀野(くらがの)、大類(おおるい)、小林、沼田寺尾、発知(ほっち)、高山、和田、那波(なわ)などの諸氏がおり、16世紀初頭の上州一揆の旗頭長野氏は、その後西上野の他氏を婚姻関係などによって従属させ、戦国大名に成長していった。

[峰岸純夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の上州一揆の言及

【那波氏】より

…室町幕府成立後は,鎌倉府の奉公衆として活躍し,親類で豊後に西遷した大友氏の利根荘の代官請負などをおこなった。15世紀前半の永享の乱,結城合戦などには管領で上野守護の上杉氏に属し,その一族は,上野の国人一揆である上州一揆の成員として登場する。戦国時代には上野国に進出した上杉謙信に撃砕され,後北条氏を頼って勢力回復をはかった。…

※「上州一揆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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